改正医療法とは?
2026年以降の変更点と
医療機関が備えること
2025年12月公布の改正医療法(令和7年法律第87号)は、地域医療構想、医師偏在対策、オンライン診療、美容医療、医療DXを中心に制度を見直します。医療機関が準備すべきポイントを整理します。
目次
改正医療法とは?何が変わる?(2026年以降のポイント)
「改正医療法」と聞くと難しく感じますが、ざっくり言うと今回の改正(令和7年法律第87号・2025年12月12日公布)は、2040年頃を見据えて、地域の医療提供体制を持続可能にするための"仕組みの作り直し"です。
対象は「病床」だけではなく、入院・外来・在宅医療、介護との連携、医師の偏在、オンライン診療、美容医療、医療DX(電子カルテ情報の共有など)まで幅広く含まれます。
このページでは、医療機関の方向けに「何が変わるのか」「何を準備すべきか」を要点だけ整理します。
まず結論:今回の改正で大きく変わる"5つの柱"
地域医療構想の見直し
病床だけでなく、外来・在宅・介護連携まで含む構想へ
医師偏在対策の強化
重点区域の設定、外来医師過多区域への対応強化など
オンライン診療の制度整備
医療法で定義、受診施設の位置づけなど
美容医療の提供に関する規制整備
定期報告義務等の導入
医療DXの推進
電子カルテ情報の共有等、支払基金等の見直し含む
いつから変わる?(施行時期の考え方)
今回の改正は「順次施行」です
項目によって開始時期が異なります。例えば、オンライン診療に関する規定は令和8年(2026年)4月1日施行と整理されています。
※個別の施行日は論点ごとに異なるため、院内の意思決定では"自院に関係する論点の施行日"を確認するのがおすすめです。
何が変わる?(医療機関に関係が大きいポイント)
1地域医療構想:病床中心から"医療提供体制全体"へ
従来の「病床の機能分化・連携」だけでなく、入院・外来・在宅医療、介護との連携等を含めた将来の医療提供体制全体の構想に見直す方向です。また、構想の議論の場(調整会議)において、市町村の関与を明確化するなど、地域連携の色が強まります。
医療機関側の実務イメージ(例)
- • 「自院の役割(急性期・在宅連携等)」の説明責任が増える
- • 地域連携(紹介・逆紹介、在宅/介護連携)の整備が重要になる
2医師偏在対策:重点区域・外来医師過多区域への対応が強化
都道府県が医療計画で「重点的に医師を確保すべき区域」を定められること、保険者拠出による手当事業を設けることなどが示されています。さらに、外来医師過多区域の無床診療所について、事前届出・要請・勧告・公表、保険医療機関の指定期間短縮など、対応強化が盛り込まれています。
医療機関側の実務イメージ(例)
- • 開業・分院・診療体制の計画に「地域の需給」観点が強く入る
- • 在宅医療等、地域で不足する医療の提供要請への備えが必要になる可能性
3オンライン診療:医療法で定義され、受診施設の枠組みが整う
改正で「オンライン診療」を医療法上で定義し、オンライン診療を受ける場所を提供する施設(オンライン診療受診施設)など、手続・広告規制を含めた枠組みが整備されます。オンライン診療の適切実施のための基準を省令で定めることも規定されています。
医療機関側の実務イメージ(例)
- • オンライン診療の実施体制(運用・同意・セキュリティ等)の整備
- • もし「受診施設」を関係者と作るなら、手続・表示(広告)ルールの確認が必要
4美容医療:定期報告などの枠組みが追加
美容医療を行う医療機関に関して、定期報告義務等の制度整備が示されています。
※美容医療を扱わない医療機関は、影響が限定的なことが多いです。
5医療DX:電子カルテ情報の共有や二次利用の推進が進む
医療DXの推進として、電子診療録等情報(電子カルテ情報)の医療機関での共有等、感染症発生届の電子カルテ情報共有サービス経由の提出を可能とする、といった方向性が示されています。
また、政府として電子カルテ普及を強力に進める旨(目標時期を含む)も整理されています。さらに、支払基金を医療DX運営の母体として見直し、推進方針を策定することも含まれます。
医療機関側の実務イメージ(例)
- • 電子カルテ・レセコン・周辺システムの"データ連携"前提が強まる
- • ネットワーク/端末/ID管理/バックアップなど、IT基盤の整備が重要になる
医療機関が「今から」準備すると良いこと(チェックリスト)
- 自院が所在する地域の医療計画・地域医療構想の動きをウォッチする(都道府県の計画と整合)
- 外来・在宅・介護連携の体制を、説明できる形で整理しておく
- オンライン診療を実施/検討している場合:運用・同意・セキュリティ・表示ルールを整える
- 電子カルテ/レセコン/院内ネットワークの現状棚卸し(老朽化・バックアップ・障害時対応)
- 医療DXに向けて「連携できる構成」を意識したITロードマップを作る
よくある質問|改正医療法への対応
この記事の著者
羽吉 智子
JRCE ORCAインストラクターグループ リーダー
JRCEのORCA事業開始当初からインストラクターとして従事。ORCAの導入から運用まで、現場目線で医療機関様に寄り添ったサポートをご提供しています。
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