古田耳鼻咽喉科様は岐阜市長良を診療圏とした耳鼻咽喉科診療所です。
開業医ではまだ導入件数が少ない“クラウドサービス”ですが、古田充哉院長先生よりシステム導入のきっかけから実際の稼働までの経過を伺いました。
【導入システム】
Karte&ORCAクラウドサービス
パソコン(入力端末)4台 プリンタ1台
スキャナ1台 画像入力用デジカメ1台
【連携機器】
予約システム・画像ファイリングシステム
【導入時期】
2013年7月
所在地:岐阜県岐阜市長良若葉町1-6
診療科:耳鼻咽喉科 無床診療所
当院は現在多くのスタッフで医療業務をこなしてくれていますが将来的に診療が縮小していった場合など、優秀な人員を継続的に確保する事は困難になってくると思っていました。
そのような場合でも、安定してクリニックを運営するためには医療業務の効率化が必要であり、電子カルテが重要なツールになると以前から考えていました。
しかし導入にはタイミングも重要です。
私自身に新しい事を始める余力が有り優秀なスタッフが勤務しているうちに電子カルテを導入したいと思っていたのですが、今回長年勤務していたスタッフの退職、現在使用しているレセコンのリース終了などが重なり決心しました。
(写真:院長の古田充哉先生)
最初に電子カルテの導入を考えた時、メーカーに縛られる事はできるだけ避けたいとの思いがありました。
オープンソースで開発された電子カルテの方がサードパーティ等の参入が容易です。データの保存形式も標準的なので将来的にデータの活用や他のシステムとの連携も行いやすいと考えています。
また、ORCA接続型の電子カルテはそれぞれのデータが別々に保存されます。将来的に電子カルテに問題が生じた場合でもORCAのデータは残せるのでリスク分散ができる点を考慮しました。
その他ソフトのみの販売方式である点も自分の好みに合ったハードウェアを選択することができるので良かったと思います。
(写真:記入したカルテの内容はデュアルディスプレイで、スタッフも容易に確認ができる様子)
karteクラウドとORCAには試供版があります。
試供版を試している段階でも、ベンダーの方が当方の質問に丁寧に対応してくださったので練習ができましたし、運用に関しての具体的なイメージを持てました。
そのため、当院スタッフにも事前にある程度の説明ができたので準備を万全にして導入できたと思います。
また、繁忙期を外して導入した事もあり、スタッフの練習のための残業が少なく済んだのも助かりました。
(写真:受付には電子カルテ・レセコン・予約システムが並び、迅速で効率的な会計を実現した様子)
karteクラウドは表示される文字の大きさを変更できるので、手書きの時よりも大変読みやすくなりました。
処置や投薬のセット登録も柔軟で、何時でも簡単にセットスタンプを作成して登録可能です。 一度作成したスタンプの再利用もドラッグ&ドロップするだけです。
耳鼻咽喉科はカルテに絵を描く事が多い診療科です。その絵を見て患者さんの過去の状態を確認することが多いのですが、シェーマスタンプが豊富に用意されていて所見の記載が簡単にでき使いやすいと感じました。
karteクラウドは耳鼻咽喉科診療においても容易に使用できると思います。
またORCAは以前に使用していたレセコンと比べ基本設計が新しいため、操作に無理が無いと感じました。 厚労省マスタの採用やインターネット時代に対応したクラウド化など新しい考え方も柔軟に取り入れている点が良いと思います。
今回は、予約システムも同時にクラウド化して1台のパソコンで電子カルテ・ORCA・予約システムが使用できるようになったので、スペースも有効に活用できました。
当院は建物が古いため電源に若干の不安を抱えていますが、クラウド化したことによりハードウェアの故障やトラブルに伴うデータ滅失に関するリスクが減ったと思っています。
また、導入に際し当院に来ていただいたインストラクターのレクチャーも非常に丁寧で、予想していたよりスムーズに導入ができたと思います。