コラム

令和8年度診療報酬改定について

診療報酬改定とは、保険医療機関が提供する診療行為や医薬品に対して国が定めた価格(診療報酬点数)を、医療技術の進歩や日本経済状況を踏まえ、2年に一度見直すものです。令和8年度診療報酬改定についてポイントを整理します。

2026.05.18 約10分で読めます

令和8年度診療報酬改定の基本方針の概要

1

物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応

2

2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進

3

安心・安全で質の高い医療の推進

4

効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上

令和8年度診療報酬改定のスケジュール

診療報酬改定は、原則として2年に1回実施されます。以前は4月に改定が通例でしたが、令和6年度からは原則「6月1日」に実施されることになりました。

令和8年度診療報酬改定について(一部抜粋)

人件費や物件費の高騰を踏まえた対応

  • ・物価対応料の新設
  • ・入院時の食費及び光熱水費の基準の見直し

医療従事者の処遇改善

  • ・外来・在宅ベースアップ評価料(I)及び(II)について継続的に賃上げを実施している医療機関とそれ以外の医療機関と異なる評価を行う。
  • ※令和8年度及び令和9年度において段階的な評価(また、算定要件が医療に従事する職員(医師を除く)から医療機関において勤務する職員となっています。)

ICT等の活用による看護業務効率化の推進

  • ・事務等の簡素化・効率化(施設基準等に係る届出や報告事項の見直し)

患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備

  • ・短期滞在手術等基本料1、3について評価の見直し

かかりつけ医機能の評価

  • ・機能強化加算の要件見直し(施設基準の新設)
  • ・生活習慣病管理料(I)及び(II)の見直し
  • ・特定疾患療養管理料の対象疾患の要件の見直し
  • ・地域包括診療加算等の見直し

地域において重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う医療機関の評価

  • ・在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の見直し
  • ・在宅療養支援診療所・病院の見直し(※要件追加:業務継続計画の策定及び定期的な見直しを行う)
  • ・在宅時医学総合管理料等及び在宅療養支援診療所等の見直し
  • ・在宅療養指導管理材料加算の算定要件の見直し(※算定要件を「3月に3回」に統一)

患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価

  • ・近視進行抑制薬の処方に係る検査の見直し
  • ・人工腎臓の評価の見直し

医療DXやICT連携を活用する医療機関の体制の評価

  • ・医療DX推進体制整備加算等の見直し
  • ※医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算を廃止。電子的診療情報連携体制整備加算を新設

質の高いリハビリテーションの推進

  • ・疾患別リハビリテーション料の算定単位数上限緩和対象患者の見直し
  • ・疾患別リハビリテーション料の訓練内容に応じた評価の見直し

質の高い精神医療の評価

  • ・通院・在宅精神療法の見直し
  • ・認知療法・認知行動療法の見直し

後発医薬品・バイオ後続品の使用促進

  • ・処方箋料、バイオ後続品使用体制加算の見直し
  • ・医薬品の安定供給に資する体制に係る評価の新設
  • ※後発医薬品使用体制加算及び外来後発医薬品使用体制加算を廃止。地域支援・医薬品供給対応体制加算新設
  • ・長期収載品の選定療養の更なる活用
  • ※長期収載品と後発医薬品の価格差の4分の1相当を患者負担を、価格差の2分の1相当に引き上げ

重複投薬、ポリファーマシー、残薬、適正使用のための長期処方の在り方への対応

  • ・電子処方箋システムによる重複投薬等チェックの利活用の促進
  • ・残薬対策の推進に向けた処方箋様式の見直し
  • ・長期処方・リフィル処方箋の活用に係る医学管理料等の見直し

改定にかかる省令・告示・通知については、厚生労働省のホームページをご参照ください。

令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省

※一部抜粋(令和8年1月14日時点)

この記事の著者

羽吉

羽吉 智子

JRCE ORCAインストラクターグループ リーダー

日医IT認定インストラクター資格保有者

JRCEのORCA事業開始当初からインストラクターとして従事。ORCAの導入から運用まで、現場目線で医療機関様に寄り添ったサポートをご提供しています。

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